今年も富士登山の季節だなぁと思っていたら、世界文化遺産とやらになって登山者が急増しそうな勢いだ。
山開きしてからでは、登山者渋滞に巻き込まれてしまうのが嫌なんだよなぁ。
というわけで、山開き直前の日程で、御殿場口という人気の無いロングコースを選んでみた。
富士登山といえばおなじみの、爽やか探検隊の隊長も参加して二人で登る山旅となった。
2013.04.28
爽やかクラブ・スピンアウト企画 「キャンプin樽尾沢」に話は戻る。
酒を飲みつつ、焚き火の前で登山の話をすると気分が良い。
「今年の富士登山は山開き前に行きますよ」
「だはは、うん、いいよ~」
酔ってるな・・・
後日、Facebookで富士山イベントを作成すると、参加表明と以下の書き込みが・・・
「私のBD登山の企画ありがとです。昨年の高山病を振り返り、再発防止を検討しなければ^^;」
(原文のまま)
BD登山? なんだろう、ブルーレイ・ディスクに登山の一部始終を記録したいということか・・・
なるほど、それじゃあ御来光登山だと夜間登山になるから駄目だな、早朝から登るか。
すでに、ここから話がズレていたのに気がついていない・・・
2013.06.29 03:11 GPS高度 1417m 御殿場口
藤沢を00:00に出発し、途中の足柄SAで「足柄の水」を汲んで到着した。
この水が前回の富士登山でも活力の源だったんだ。
3リットルのハイドレーションに一杯に「足柄の水」を詰めて行く。
月光が怪しく僕らを照らす。
・・・美しい。
出発前に血中酸素濃度を測っておこう。
隊長の酸素濃度は92%、 心拍数は平静だ。
僕の画像は残っていなかったが大体同じくらいだ。
ゲートは閉じられているが、脇が開いてるので問題無い。
いろいろと書いてあるが、自己責任で登れということだ。
ゲートを越えて、いよいよ出発!!
無事に登頂してここに戻ってくるのは何時になるだろうか。
まずは、大石茶屋を目指す。
一般観光客でも行ける場所だ。
真っ暗闇の中を歩くと良いことがある。
それは、余計なものを見ずに歩けるから、歩く事に集中出来ることだ。
しかし、そろそろ夜は明けて周りの状況が見えてくるようになる。
まだまだ余裕の隊長。
これからあそこまで登るんだぜー!!
おー、頂上近辺まで見えるじゃん。
今日は天気良いかもよ~。
一気に辺りが明るくなってきた。
周りを見ると黒く細かい火山礫の砂ばかりの斜面だ。
吉田口や富士宮口とは全く異なる、砂の斜面を登るのが御殿場口の特徴だ。
しかも大石茶屋を過ぎると7合目近辺までは山小屋が無いので休憩をとるタイミングも難しい。
2013.06.29 05:37 GPS高度 2081m 休憩
この白い建物は何なのかは判らない。
緊急の避難小屋にしては扉が固く閉ざされているので入れない。
現在地はこんなところだ。
約2.8km、高低差650mを登ったところだ。
朝食としてパンとおにぎり、アミノ酸エネルギーゼリーを補給する。
血中酸素濃度はあまり変化はないようだ。
さて、出発するか・・・でも眠いな、どこかで仮眠を取ろうと隊長と話す。
2013.06.29 06:05 GPS高度 2172m 雲が迫る!
隊長の背後にどこからともなく雲がわき出して迫っている。
スゴイ勢いで迫る雲海。
あの中が雨だったら嫌だなぁ、と思っていたら、、、あっという間に斜面を登って周りが真っ白になった。
すると、もの凄い爆音で何かがやってくる!
何だろうと思っていたら荷揚げのブルだった。
そう、僕らはつづら折りを登るのが嫌でブル道を歩いていたのだった。
2013.06.29 07:29 GPS高度 2577m 6合目小屋
ご飯を食べたのが効いたのか、眠気が一気に襲いかかってきた。
「眠い・・・寝よう・・・どこで?」
あっ、なんか小屋があるぞ、あの辺りで・・・
今はもう営業していない山小屋だ。
ここの軒先でも借りて寝るか・・・
屋根を見ると鉄板だけどフラットで寝るには良さそうだ。
「よし、屋根を借りて寝よう」
約15分も寝ただろうか、気分はサッパリとした。
さて、まだまだ先は長い!
隊長、行こう!
富士山の天候は変わりやすい。
晴れたと思ったら、一瞬で濃霧になり雨が降ってきた。
2013.06.29 09:58 GPS高度 3030m 七合目 わらじ館
わらじ館は小屋開け作業に忙しいようだった。
血中酸素濃度を測ってみたら82%しか無いよ、隊長!!
頭痛とかしない?
3000mを越えると残った雪渓を間近で見られるようになってきた。
2013.06.29 11:05 GPS高度 3291m 赤岩八号館
この時期、どこの山小屋も小屋開けで忙しい。
晴れ間、濃霧、霧雨、雨とめまぐるしく天候が変わる。
2013.06.29 13:17 GPS高度 3695m 富士山浅間大社銀名水
這々の体で登頂・・・と言いたいが、ようやくお釜の縁にたどり着いた。
本来ならお鉢を巡って、剣ヶ峰まで行けばいいのだが随分と時間を掛けてしまった。
天候も良くない、今回はここまでとして噴火口を眺めてラーメンを啜って帰ることにしよう。
剣ヶ峰よりも、今回は下山道に楽しみがあります。
早速、下山しよう!
2013.06.29 15:53 GPS高度 2796m 大砂走り分岐
いよいよ大砂走りに入る所まできたが、午後3時なのに濃霧で先が見えない、少し雨も混じってきた。
とにもかくにも、下山しなければならない。
二人でゲイター(スパッツ)を装着して砂が靴に侵入しにくいようにした。
いざ、大砂走りへ!!
最初は「これが砂走り? たいしたことないな」と思って歩き続けると、いつの間にか真っ白で景色が何も見えない黒い砂をザックザックと大股で走り抜ける自分に気がつく。
左の白いロープが、ここが下山道であることを確認出来る唯一の印だ。
もし、踏み外して迷い込むと、自分の居る位置を失ってしまう。
気がつくと後ろを走っているはずの隊長が居ない。
振り返って見ても何も見えない。
しばらく待っていると、突然目の前に隊長が現れる。
迷子になったかと思いました、良かった・・・
・・・と思ったら、今度は大粒の雨がドカッと降ってきた。
とにかく走るしか無い。
まだ続くのかよ・・・
う、まだか・・・
1時間は走っただろうか。
ようやく傾斜が緩くなり走ることは出来なくなるが、今度はひたすら濃霧の砂の中を歩かなくては鳴らない。
霧の中に幻影が見えるようになり、アレは何だ? コレは何だ? と、ちょっと面白かったが、基本的にはダラダラと砂の中を延々と歩くのでダレて来ていた。
2013.06.29 17:08 GPS高度 1551m 大石茶屋
やっと大石茶屋に到着、しかし、ここから駐車場へはまだまだ砂の登山道は続くが、濃霧は晴れつつあった。
2013.06.29 17:18 GPS高度 1460m 御殿場口登山道入り口
お疲れ様でした。
お互いに披露困憊状態でよく頑張りました。
もう、とにかくすぐにも温泉に入りたい。
この後、いつもの「御胎内温泉」へ突き進みました。
大砂走りを嫌と言うほど堪能してきました。
濃霧と雨の中の富士登山というのも、なかなか楽しめたと思います。
休憩などを挟んだとはいえ、3時から17時まで掛かりましたので、往復14時間も掛かってしまいました。
隊長、次は尾瀬、そして子供達を連れてまた富士山が待ってますよ。
御殿場口から砂を登り富士山頂、そして大砂走りを激走した旅はこうして終わった。
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