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ハイキング企画「ソロスノーハイク 北アルプス 西穂高岳 敗退 1日目」 [ハイキング企画]

2013.03.14

北アルプスの天気を探っていた。

週末は絶好の天気と言うではないか!!

これは、見て見ぬ振りは出来ないな!

早速、山岳親父を誘ってみたが都合が合わないということで、またしてもソロで行って見ることになった。


2013.03.15 23:00 出発

家人に週末の山行計画書を提出して許可が下りたので、速攻で用意して出発。

今回の目的地は、西穂高岳(2908.6m)と高く掲げておくことにした。

最終的にどこまで行けるかは体力や天気など、現地に行って登って見ないと判らない。

1日目 新穂高温泉から西穂山荘を目指して幕営し、そのまま西穂高岳を目指す。

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2日目 早朝、日の出を堪能後に下山して温泉に浸かって帰宅。

全画面キャプチャ 20130319 164754.jpg

以上が計画した内容だったが、結果的には西穂独標(2701m)で引き返すことになった。

独標から西穂高岳への雪が張り付いた道のりはかなりキビシイね・・・


2013.03.16 07:10 GPS高度 1007m 奥飛騨温泉郷(新穂高温泉) 登山者用無料駐車場

走行距離は305km程度、燃費を稼ぎ休憩回数を多く取って予定通りの時間に到着。

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気温0℃、案外暖かい。

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新穂高ロープウェイは9:00に動き出すようだが、歩いて登れるようなら歩いてしまうか?

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ロープウエイ乗り場はまだ開門しておらず、人も居なかった。

「よし、右俣の登山口の様子でも見に行ってみるか・・・」

30分かけて右俣林道を目指して進んだが、橋まですっぽりと雪で埋まっている。

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踏み跡は1-2人分のを確認出来るが、どこまで歩いて行けるやら・・・
この道を通れば槍ヶ岳まで行けるらしいが、今回の目的地では無いので調査はここまでとして引き返す。

2013.03.16 08:30 新穂高ロープウェイ
ロープウェイ乗り場に戻ると、既に長蛇の列になっていた。
「しまった、観光客か?」
このロープウェイを使って雪山を眺めにやってくる観光客が観光バスで大挙してやってくるようだ。
そんな中にポツポツと雪中登山姿MAXな人達が混ざって列に並んでいる。
明らかにどちらかが場違いな状況。
ロープウェイの代金は、往復券で2800円だが「荷物が8kg以上有る方は追加の荷物券を購入して頂きます・・・」
切符売り場の真ん前にはデカイ秤が鎮座している。
いちいちザックを下ろすのがめんどいなぁ。
「大人一枚往復券、それと荷物券もお願いします。」
「計らなくてイイですか?」
「ええ、間違いなく8kg越えてるので・・・」
 
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このロープウェイは第一と第二に別れており、第一ロープウェイに乗って標高1300mの「鍋平高原駅」に上がった後に駅を出て50m程外を歩いて「しらかば平駅」まで行って第二ロープウェイに乗るスタイルだ。
第一ロープウェイは定員45人だが、第二ロープウェイは2階建てのゴンドラで定員121人を一気に2156mの「西穂高口駅」まで輸送する能力がある。
いよいよテイクオフ!
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・・・そして、第一ロープウェイは激混み状態。
「ザックは下ろして下さい・・・」
写真を撮りたかったが、ザックを支えてないと駄目なので撮れませんでした。
「鍋平高原駅」に到着し、観光客の間を縫うようにして「しらかば平駅」へ移動。
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121人乗りロープウェイも激混み・・・
写真どころか周りもよく見えずに「西穂高口駅」へ。
ふぅー、ロープウェイに乗るのも疲れるな。
駅舎内の食堂で一息ついて、登山届けを提出した。
観光客は4階の天望台へまっしぐらに進むが、登山者は2階から外に出ようとする。
そうだ、2156mの地点での酸素濃度を測っておくか・・・
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おお、90%まで下がったか。
スノーシューをザックから降ろし、トレッキング・ポールを伸ばす。
まずはスノーシューで進むことにしよう。
食堂を出ると・・・
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三等三角点かぁ・・・雪で埋まって見えない場合のための標識があるんだね。
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周囲を見渡すと登山者は皆アイゼンを黙々と装着している。
そんな中で僕だけスノーシューを堂々と装着開始。
・・・もしかして、スノーシューではいきなり登れないような急登があったりするかな。
ちょっと不安があったけれど、スノーシューで歩きたいんだ俺は!的な光線を目からほとばしらせつつ装着完了。
まずは、観光客も歩けるようにしつらえた雪の回廊の入り口へ。
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振り向くと天望台の観光客が見える。
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あの天望台の雪の塊は有名な「にしほくん」だ。
見てくれば良かった・・・
雪の回廊は両側に3mの雪の壁が続く白い道だ。
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ちょうど八の字を描くようなコースになっていて、観光客が歩き回るには面白いだろう。
その途中には、「播隆上人」の石碑が有ったりする。
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観光客のおばあちゃんが「これから、どこさいくの?」
「あの山の上まで行くんです。」
「かんじぎみたいなの履いていぐんだねぇ!、きをつけれ!」
ありがとうございます、行ってきます!
さぁ、いよいよ「雪の回廊」を抜けて西穂山荘へと続くトレースをたどるルートだ。
スノーシューでどこまで行けるかな?
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ダケカンバとオオシラビソの間を縫うように歩く。
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最初のうちはスノーシューでも歩けるが、急登を連続で登るようになったのでアイゼンに付け替える。
気温は低いが暑くてたまらないのでネックゲイターを外し、ベンチレーションを全開にしてセーターを一枚脱ぐ。
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長い急登を登り切ると、小屋の屋根がちらりと見えた!
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2013.03.16 11:10 GPS高度 2370m 西穂山荘
  
西穂山荘に到着!!
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巨大な雪だるま?というか鏡餅?のようなものが(これは背中だった)出迎えてくれる。

早速、テントサイトを借りに行く。
テントサイト代は500円、ビール500mlを1缶500円(自動販売機が小屋の中にあって、コーラまで売っている。)
小屋の中のトイレは利用出来ないが、屋外のトイレを利用すること。
雪壁は作らないこと、整地する程度は可。
・・・など、いろいろとルールを説明してくれる。
ここではテント用のプレートを渡された。
小屋の中で、酸素濃度を測定したら82%しかなかった。
登って来たばかりで呼吸が乱れているのだろう。
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脈拍も高いな!
さぁ、テントの設営に入ろう。
風も無いし、暖かいので苦労はしないだろう。
テントサイトは風の影響を受けにくい木の間に設営することにした。
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テント内で温度を測ると7℃くらい、直射日光が当たって随分とあたたかい。
強風を考慮して4点+ガイライン4点でペグダウン。
うち1点は風上側に十字ペグを雪を深く掘って埋めておく。 
これでなんとか強風にも耐えて欲しい。
ヨウカンとパン、コーヒーとエネルギーゼリーで一息入れる。
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上高地を見下ろし、蝶ヶ岳を眺めつつ食べるのは気持ちが良い。
さて、一息ついたら携行食と緊急用の物資だけをザックに入れて、アイゼンを装着して出発しよう。
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目指すは西穂高岳だ。
登り始めは殆ど風が無かったので、「これは良い日に来たものだな!」と思っていたが・・・
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2013.03.16 12:50 GPS高度  2465m 西穂丸山
丸山を越えた所から急に風が強くなってきた。
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斜度もキツイ、一歩足を出すのが辛い高度でもある。
上高地、蝶ヶ岳方面を見ると斜面を歩いているのがよく判る。
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振り返ると雪原の尾根道をずっと登って来た道が眼下に広がって見える。
爽快な景色なんだけど、強風にあおられて撮影も楽じゃ無い。
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新穂高温泉側を見ると、弓折岳(2592m)がよく見えた。
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見上げると、独標と西穂高岳がよく見える。
前を歩く登山者は一様に耐風姿勢で歩いていた。
上はさらに風が強いようだ。
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野営地から100m程度の高度しか稼いでいないのだが、気象条件は全く異なっている。
「これは今夜も荒れるな・・・」
明日は早々に帰宅しなければならない、登れるチャンスは今しか無いが殆ど寝ないでここまで来ているので疲れが足にキテいるようだ。
雪も深くなってきた。
あっ、雪庇(せっぴ)が出来ている・・・・
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真横まで行って見ると一見行けそうな気がするが・・・
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そう、この下には何も無い。
写真を撮ろうと進んでしまうと雪庇が崩落して滑落してしまう、恐怖のトラップだ。
今年も何人か雪庇を踏み抜いて亡くなっていたりするだろうか・・・。
晴れていて下から眺めたから判ったものの、吹雪などで視界が悪かったらまず判らないだろうな。
 
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いよいよ、西穂独標への岩登りだ。
アイゼンを装着した状態で岩をよじ登らなければならない。
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無雪期ならば岩に手が掛けられるところも、雪や氷で埋められているため手を掛ける場所が限られる。
そんなときは、ピッケルの刃(ブレード)を差し込んで手がかりとして登って行く。

2013.03.16 13:47 GPS高度 2700m 西穂高岳 独標
なんとか独標までたどり着いた。
別名「ピラミッド・ピーク」。
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独標の岩登り中も風が強く吹き付けてくるのでキツかった。
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独標には数人が頂きを楽しんで居たが、狙いはやっぱりこの先の西穂高岳(2909m)だろう。

しかし・・・

この強風で足場の悪く、残り少ない体力と14:00近い時間を考えると、たとえ西穂高岳の頂上に立てたとしても、日が落ちてしまったら帰り道は最悪の道のりになってしまいそうだ。

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西穂高岳への登りの岩肌に一人へぱり付いている・・・。

どこまで行くのかわからないが、頑張ってほしい。 

僕は早々に撤退を決断してテントに戻ることにした。

独標からの景色を楽しんでこの岩の頂きから降りる事にしよう。

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そして気がついた。

雪と氷の岩場を登るのは苦労したが、下るのはもっと苦労することを。

岩場のアイゼン・ワークにもっと慣れないとだめだな。

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2013.03.16 14:31 GPS高度  2456m 西穂 丸山
岩場さえ越えれば、後は雪の斜面を降りるだけなので滑落だけしないよう、気を付けて歩けば良い。
眺めの良い緩やかな稜線を楽しんで降りる事が出来た。
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ああ、見える見えるよ、ミドリ色の僕のテントが!
雪に沈めたビールが僕を待っているはずだ!!

2013.03.16 14:42 GPS高度 2375m 西穂山荘
なんとか15:00前に西穂山荘にたどり着いた。
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風は西穂山荘の野営地でも強くなりつつあったし、天候は崩れ始めていた。
 
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「やっぱり撤退して正解だったようだ」
テントに潜り込む。
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で、まだ明るいけれど・・・・もうかなり眠いので夕ご飯を作って食べちゃおう。
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アルファ米をお湯で煮込んでチゲ鍋の素(前回の残りもの)を投入し、 SPAMを短冊状に切って卵2個を投入し、コショウと七味でさらに辛く味付け。
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ビール♪、ビール♪
 
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雪に沈めたビールは半分凍ってやっぱし「旨い!!」 
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うおっ、酸素濃度81%、脈拍113とアルコールと辛いものを食べて血流を早めても酸素濃度は上がりませんねぇ・・・
ついに雪が降り始めてテントにパラパラと当たる音がするようになって、風も強くなりつつある。
気温は-10℃まで下がって来たぞ。
よし、寒いから秘密兵器を出してしまうか。
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コレをグイグイ・・・という程はないけれど、飲み干してシュラフにくるまってお休みなさい。
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テントが風に煽られなければいいなぁ・・・
穂高の雪山に足跡を刻みつける旅の1日目は終わり、明日に続く。

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