ハイキング企画「ソロスノーハイク 八ヶ岳 本澤温泉 硫黄岳 2日目」 [ハイキング企画]
2013.02.10 03:32 GPS高度 2098m 本澤温泉キャンプ場
風は多少あったようだが、微風だったようだ。
何度か夜中に目覚めたような気もするが、ハッキリしない。
温度を確認しようとしたが、腕時計を腕にハメたまま寝てしまって気温は不明。
テントの内部は氷りが張り付いていて、時折剥がれて天井から降ってくる。
キラキラと光って綺麗だな。
この氷りは全て自分の呼吸で履いた息の中の水分がテントの内側に張り付いて出来たものだ。
人間というのは、大量の水分を寝ながら放出するものだということが良く判る。
ボーッとしていたが、写真だけは撮っておいた。
シュラフの中はぬくぬくで暖かく、寒さはみじんも感じない。
用意した防寒装備は成功だったようだ。
暗いうちに起きて登山の準備をして・・・・などと考えていたら、睡魔にまた引き込まれてしまった・・・。
2013.02.10 05:00 GPS高度 2098m 本澤温泉キャンプ場
ああ、しまった、また寝てしまったようだ。
まっ、いいか。
暗いうちに登山を開始してもラッセルだったら迷ってしまうかもしれないし。
明るくなってからがいいよ・・・。
今日の朝食は、熱いコーヒーを沸かしてチョコチップ・パンとWASP JELLYとチーズとチョコレート。
ついでに熱いコーヒーをサーモボトルに満タンにして入れておく。
暖かいシュラフから抜けるのが辛い・・・
登山装備を整えて、テントを抜け出す。
少しだけ雪が降ったらしい、テントの上に雪が薄く積もっている。
スノーシューは迷ったが、本澤温泉小屋まで履いていく。
ザックの中身は行動食や、緊急用のエイドセットなど必要最低限のもの。
ザックの外にピッケルとアイゼンを装備する。
トレッキング・ポールには昨日からラージ・スノーリングを装備している。
2013.02.10 06:30 GPS高度 2101m 本澤温泉小屋
小屋の前には既に登山に出発しようとしているチームが何組も出ている。
僕はとりあえず小屋のトイレへ。
テレビクルーが小屋の中を撮影していた。
表に出て準備をしよう。
スノーシューはザックに入れて、アイゼンを付ける。
この先、スノーシューの出番はあるかどうかは判らない。
だが、雪が深かったら出した方が良い場合もあるだろう。
とりあえず、トレッキング・ポールとアイゼンの組み合わせで行こう。
さぁ、まずは夏沢峠に向けて出発!
2013.02.10 07:01 GPS高度 2147m 露天風呂分岐
出だしは快調だ。
風は無く、無風状態。
時計温度計は体温に近い値を示しているため、外気の温度は不明だが、おそらくマイナス17℃くらいかなぁ、思ったより暖かいようだ。
雪は深いが、踏み跡のトレースを歩けば沈むことは希。
ここからは森の中を登って行くルートになる。
露天風呂は帰りにチェックしに行こう。
グローブには「THE NORTH FACE - プラズマGTXレザーグローブ」これなら、手が凍傷にならずに進めるだろう。
斜面を先行して登るグループがいる。
後ろを付いていこうと思ったら、道を譲られてしまった・・・
雪が深い。
たまにズボッと膝まで埋まってしまう。
道を外したら、どこまで埋まるか判らないぞ。
おっ、夏沢峠の山彦荘が見えた!
2013.02.10 08:02 GPS高度 2443m 夏沢峠
久しぶりの夏沢峠は雪に埋もれている。
この山荘は冬場は閉鎖されている。
340m程の高度を稼いだが、雪山としての本番はここからだ。
思った通り、夏沢峠は風が強い。
トレッキング・ポールはまだ使うが、ピッケルをザックからハズして腰に吊しておく。
SWANSのゴーグルにいつでもチェンジ出来るようにスタンバイ。
フードを深く被って、硫黄岳へ。
ここからはまだ少し樹林帯があるので、風は弱いルートだ。
2013.02.10 08:32 GPS高度 2512m 森林限界
ダケカンバの林を抜けた途端に強烈な風が襲ってきた。
ここは遮るモノが何も無い岩山だから、風が岩肌を滑るように流れていく。
そのためか、雪は岩に張り付く程度しかない。
吹き飛ばされて雪煙となって空に消えていく。
トレッキング・ポール一本をしまって、左手に短くしたポール、右手にピッケルの状態で進む。
もの凄い強風!
重装備の俺をフワッと一瞬持ち上げる。 やべえ!
耐風姿勢を取りつつ進む。
一歩進む毎、風が弱まるのを待つしかない。
ゴーグルの内部に入り込んだ自分の吐息が、あっという間に凍って視界が遮られる。
これに落ちたらこの世ともオサラバだ、飛ばされないようにしないと。
呼吸さえ苦しい登山だけど、すっごくワクワクしてくるのは何故だろう。
風が強いので体感温度はマイナス30℃を下回った感じがする。
今手袋を脱ぐのは凍傷になってしまうので、カメラの操作がもどかしい。
それにしてもDSC-HX5Vは頑張っている。
電源を入れる毎に電池が無い表示となり、動画は1秒も撮れないし、1、2枚シャッターを切るだけで精一杯、3枚目で「記録が失敗しました」が出るようになった。
それでもちゃんと写真が撮れていたんだなぁ、よかったよかった。
2013.02.10 09:46 GPS高度 2762m 硫黄岳頂上
ついに硫黄岳の頂上にたどり着いた。
近くに居た人に頼み込んで、写真を撮影して貰った。
こんなに強風なのに、頂上には結構人が居たぞ。
頂上避難小屋は雪で埋没していて入れなかった。
横岳方面は全く視界が無かった。
噴火口から吹き上げる強烈な雪煙、とても向こうに行ける気がしない。
帰りの時間も考えると、この先に進むことは出来そうに無い。
今回はここまでとして、下山しよう。
2012.02.10 09:55 GPS高度 2765m 下山開始
眼下を見回しても雪煙が酷く、登りよりも下山の方が慎重を要するようだ。
ケルンの影に隠れて小休止を入れつつ進む。
太陽は力強く照らしてくれるが、極寒の状態は続く。
顔の周りは凍っていて、肌を露出するのは危険だ。
2013.02.10 10:41 GPS高度 2438m 夏沢峠
ようやく夏沢峠に降りてこれた。
たった300mの高度差なのに、風の強さはハンパなかった。
一息入れよう・・・。
ついさっきまで、あの頂きに居たんだよな・・・。
もう少し先まで行きたかったが、今日は下山しないとな。
とりあえず、コーヒーとパン、チーズとエネルギー・ゼリーを食べながら休憩。
団体の登山隊が硫黄岳へ登ろうとしている。
登れる状態じゃ無い場合は、安全を考慮して引き返すと、ガイドが客に説明している。
ガイドが何人居るのか判らないが、この人数を安全に登らせるのは骨だな。
さて、テントに戻るか。
2013.02.10 12:52 GPS高度 2098m 本澤温泉キャンプ場
テントに入って、ラーメンを作って一服してから装備の撤収を始める。
テントを撤収。
装備全てをザックに詰めて、背負う。
今度はスノーシューの出番だ。
2013.02.10 14:04 GPS高度 2098m 下山開始
既に14時を過ぎていることから、車に到着するのは下手すると暗くなってしまうかもしれない。
急がねば・・・
2013.02.10 14:57 GPS高度 1876m ゲート
ようやくゲートだ。
こんなに影が長くなってきた、冬の日没は早い。
2013.02.10 15:09 GPS高度 1763m 天狗展望台P
やっとここか、まだまだ先は長い。
2013.02.10 15:25 GPS高度 1631m 本澤温泉入り口
おっ、ここまで車で上ってきた強者が居るぞ。
よく、登って来たものだ。
ヤバイねぇ、もう太陽があんなに下に降りてしまった。
ヘッドライトが必要になるかな。
と、思っていたら太い枝を踏んで転んでしまった・・・。
疲れてきているのだろう、乗り越えられる枝だったのに脚が上がりきっていなかったんだ。
そして、スノーシューは一度転ぶと背中の重い荷物があると容易に立ち上がれなくなる。
仕方なく、全部ハズして立ち上がる。
ふーーーーっ、一服しよう。
ボトルのコーヒーとヨウカンを食べてリフレッシュ。
少し急ぎすぎた、心に余裕を持とう。
暗くなったって、ライトもあるし問題無いんだ。
2013.02.10 15:55 GPS高度 1564m 日没
日没と言っても稜線に太陽が隠れただけだ。
まだライトが必要な程では無い。
おっ、本澤温泉の雪上車だ。
といことは、駐車場は近い。
2013.02.10 16:25 GPS高度 1437m 駐車場
やっと到着。
下山開始から2時間30分で降りてきたワケだ。
お疲れ、俺!!
完全に真っ暗になる前で良かった、良かった。
さぁ、温泉に入りにいくぞ!!
温泉は、前回も利用した「八峰の湯(ヤッホーのゆ)」。
ここには仮眠用の部屋もあって、ぐっすり眠れるのだが、残念なことに牛乳が置いていない。
しかし、帰りの高速のSAで見つけた牛乳が旨い。
信州安曇野牛乳だ。
ゴクゴクと4本ほど飲んでしまった。
お風呂でポカリを飲み過ぎたようだ。
今回の山旅は一人で厳冬期のテント泊と本格的な冬山登山の感触をたっぷりと味わうことが出来てとても有意義だった。
ありがとう、八ヶ岳山塊。
ありがとう、硫黄岳。
冬の山旅のおもしろさと厳しさを味わうことが出来た。
強風と雪煙の硫黄岳山頂だったが、無事に下山出来てとてもうれしい。
次はどんな山旅が待っているだろうか。
おしまい。
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